2009年8月20日木曜日

母と子の話し!大切なものとは?

      母と子が話しました!一番だいじなものは?            
 
 はじめ君の家へ、いつものように、近所のお友達の、のぼる君と健一君が、あそびにきました。
三人とも同じ小学校の、仲良しの五年生です。はじめ君のお母さんからもらったおやつを食べながら、健一君が「世界の人間にとって、一番だいじなものはなんだかわかる?」と、ききました。
 「それはさァ、お金だよ、もちろん」と、のぼる君がさも自信たっぷりに答えました。 しばらく考えていたはじめ君が「お金もだいじだけどさァ、もっとほかにないかなァ…」と、しきりに首をかしげています。
 するとのぼる君が、そんなに考えるのおかしいよ、といわんばかりに「ぼくもお金だと思うよ。だってお金がなかったらさ、なんにもできないし、死んじゃうと思うよ」と、もんだいを出した健ちゃんにさんせいしました。
 三人の子供のそばで、はじめ君のセーターをあんでいたお母さんが「そうかしら。でもねのぼるちゃん、お金がなくなっても、人間すぐ死んだりしないわよ。
 人間は何がなくなったら死んじゃうのかな?」「あッ、空気だ!」とつぜんはじめ君が、すっとんきょうな声でさけびました。
「ホッホッホッホ…ご名答でした。そう、空気がなかったら、人間すぐ死んじゃうわ、人間だけじゃない、犬だって猫だって、鳥だって、みいんな死んじゃうのよ。そうなると、空気はとっても、とってもだいじなものだって、わかるでしょう」「あッそうか、まいった!」健ちゃんがざんねんそうに頭をかきました。
「あら健ちゃん、まいるのはまだ早いわよ。だってね、空気だけいくらあっても、人間それだけでは生きていかれないわ。さあ、何が足りないかしら?」「ううん…ううん、食べ物ッ!」はじめ君がまた大きな声で叫びました。
「そうね、もちろん食べ物はだいじよね。だけどその食べ物さえ、もっとだいじなものがなければ、一つも作れないんだけどナ……サア、そのだいじなものって、一体なんでしょう?」
 三人が顔を見あっているのをみて、お母さんは「わからなかったら、みんな一ぺん外へ出て、空をみてらっしゃい]といいました。
 「ワーイ、外へ出よおッと!……空を見ろって?……ああ、わかったァ!」健ちゃんとはじめ君とがいっしょにさけびました。
 「それ、太陽でしょう?」のぼる君も叫びました。
 「そうよ、やっとわかったのね。お日さまが照らなかったら、世界中まっ暗でしょう。一年中夜だったら、それこそ大変ね。草も木もそだたないから、もちろんお米だって、パンになる小麦だって作れない。太陽が出なかったら、寒くて寒くて、みんなこごえて死んじゃう。だけどね、まだ足りないのよ、だいじなものが…」「太陽と……空気とォ……水ッ!」健ちゃんが自信まんまんにいいました。
 「ハイ、ご名答!水がなかったら、一日も生きていられない。お日さまが照るばかりじゃア、なにもかもカラカラにかわいちゃうものねえ。
だからどうしても水がいるのね。太陽は火のかたまりみたいなものだから、火と水と空気、この三つがそろわなければ、世界中の生き物は生きていかれないの。
 これで一番大切なものがわかったわね。みんな。きょうはこれだけにして、またこんどお話しましょうね。」

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