そうした中にあって各企業は創立時の精神に元還りして行く必要があります。
例えば、松下電気の創立者「松下幸之助」は次のように語っております。
翁はスピーチをした後周囲に向かい「00君、今の私の話はどうやった!」と尋ねるのを常としました。
それは、自分の想いがキチンと伝わっているかを確かめる事が目的でした。
部下達に「良く聞き」「良く考える」事を訴えました。
この「良く聞き」「よく考える」習慣を付けさせる事が翁の狙いでした。
幸之助翁の質問が矢継ぎ早に飛んで来るので部下達は決して居眠りなど出来なかったという訳です。
更に時間があれば「何か質問はないか?」と手を上げさせたと言います。
畢竟、翁と社員との会話は真剣勝負であったのです。
そして、幸之助翁は「転んだら立ちなはれ!」と前進又前進の経営を推し進め、世界的企業へと発展する事が出来ました。
然るに今日ここ迄の緊張感を持った企業がどれ位あるでしょうか?
たった一人から松下電器を立ち上げ世界的企業に迄発展させた幸之助翁は「七転び八起き」の強靱な精神の持ち主でありました。
しかし、企業の生き残りの厳しい時代にあって松下電器ナショナルは「panasonic(パナソニック)」という名に替え生き残りを懸命に計っているのであります。
「翁の教訓」と「創り上げられてきた伝統」は薄らいでいるかも知れません。
松下幸之助翁は「商売の道」を説き「企業の在り方」を説き続けたのであります。
各企業は翁の「良く聞き」「良く考える」精神を学び商売の原点に立ち還る事が今、一番要求されているのではないでしょうか!