2011年2月5日土曜日

リスク管理を怠った日本経済

1・リスク管理、危機管理おんち
 銀行や証券、保険会社が倒産したり、株や土地が暴落することなど外国では何も珍しい事でなく、当たり前のことなのです。自分の事は自分で責任を持つ、自己責任の原則。
外国ではこれを当然のように考えております。
例として米国では銃の所持が認められておりますが、自分の命や家族の安全は自らが守るという基本的な考え方が根底にあるからだと思います。
 60年にも亘る平和ボケと言いましょうか?日本では銀行や証券、保険会社は絶対に倒産しないものと決め込み、株や土地は常に上がり続けるものと錯覚していたのです。
甘かったのです。リスク管理が欠けていたのです。
国の危機管理能力の低さ、音痴振りにも不安を感じます。
昔ペルーの日本大使館で起きたゲリラ襲撃事件での危機管理、阪神大震災時の対応、日本海で起きたロシヤ国籍タンカーからの原油流失事件、また北朝鮮のミサイル発射事件の対応ぶりや、情報公開の遅さ、祖粗末さを見ると国民の命、国民の財産を守るべき国のリスク管理のなさ、危機管理意識の低さを感じ不安に思います。
2・ 銀行の大蔵依存体質
銀行に対する大蔵省の保護政策、護送船団行政は戦後の混乱から、日本を建て直し産業復興する上では、非常に成功をお収め、世界にかんたる奇跡を生んだのは確かであります。
しかし何事もいつまでも長く続ける事は逆にまた弊害を生むことにもなります。
役所は次第にわが権益を守ろうと縄張り意識を強く持ち出し、縦割り行政に変化して行きました。
 銀行をはじめ証券、保険など金融行政に関しては全て大蔵省が権力を握り、新規参入は一切認めず、支店を設置するにも、新たな業務を開始するにも何をするにも、役所に申請しなければならないように規則、規則でがんじ絡めにし、殆んどの大手銀行、証券、保険会社には天下りでもって完全に経営権を握ったのであります。
従って、当然のように癒着して行き、増収賄事件が度々起きるようになり、その事を役所はマスコミや国民の目から誤魔化すようになって行き、また銀行側も情報公開を拒み、スキャンダルを表に出さないように役所と話し合って隠し通すようになり、株主総会も、もめないで短時間で終わるようにして行きました。
つまり、臭いものには蓋をしょうというやり方であります。
こうした事を嗅ぎつけ甘い汁を吸ったのが総会屋一味であります。
日本には一時5000人以上の総会屋がいたそうです。日本の総会屋は米国にも進出を計ったそうですが、結果は失敗に終わったようです。
その失敗した理由は米国では情報公開制度が進んでおり、株主総会においても隠し事が出来ないほど情報公開が進んでいて総会屋の食い込む余地が無かったという事です。
「赤信号みんなで渡れば怖くない」銀行は大蔵省の言う通りにやっていれば護送船団方式で保護され、安泰であったものですから、とにかく隣の銀行と同じ事やっていれば良く。結果的に儲かっても損しても銀行のトップは責任を問われないという風潮が金融界全体を支配してゆき、その典型があのバブル時代のキチガイとも思える乱脈融資ぶりであります。
大銀行の全てが同じ間違いを起こしのです。
正に銀行横並び体質そのものと言えるでしょう。